首都圏ARコンソーシアム
日本発の革新的な医薬品・医療機器を医療現場に届けるために、首都圏の私立大学をはじめとする臨床研究機関が連携・協力関係を結び、アカデミアの基礎研究の成果を実用化につなげる非臨床・臨床一体型の橋渡し研究体制の構築、人材の育成、情報の共有等を図ることを目的として首都圏ARコンソーシアムを発足致しました。
背景
我が国の優れた先端医科学研究の成果を新しい治療薬・治療技術の開発などの実用化に結びつける「臨床研究・臨床への橋渡し研究」を重点的に強化するために、平成19年度から文部科学省が橋渡し研究支援機関を拠点化し整備する事業「橋渡し研究支援推進プログラム(平成19~23年度)」(橋渡し研究第1期)、「橋渡し研究加速ネットワークプログラム(平成24~28年度)」(橋渡し研究第2期)を実施してきました。
本事業は、平成27年度からは、文部科学省から国立研究開発法人日本研究開発機構(AMED)に移管し、臨床研究中核病院整備事業等の各種事業と一体化して、「革新的医療技術創出拠点プロジェクト」として医薬品・医療機器を持続的にかつ効率的に創出する体制の構築が推進されています。
平成29年度からは、橋渡し拠点の1つである慶應義塾大学では「基礎臨床一体型モデル/首都圏ネットワーク融合による橋渡し研究推進と革新的医療実現」という事業課題名で採択され、橋渡し研究の第3期として「橋渡し研究戦略的推進プログラム」(慶應を含む10拠点)がスタートします。
更に、臨床研究中核病院(慶應義塾大学病院を含む11施設)は、これまでに蓄積された経験やノウハウを活かして、それ以外の機関(拠点外機関)を基礎、臨床研究の両側面から支援し連携することが求められています。
こうした取組みにより、アカデミア発の基礎研究成果を革新的医療技術として実用化に繋げる橋渡し研究支援体制が、オールジャパンで進展していくことが期待されています。
発足の経緯
現在、医学部を擁する大学は全国に81大学(国立:43大学、公立8大学、私立30 大学)あり、私立大学の大半(17大学)が首都圏に集中しています。
また、それ以外にも国立研究開発法人や公立大学、歯学系大学等をはじめとする臨床研究機関が首都圏に集積しています。
これまでも機関間や研究者間で数多くの協力・連携が行われてきましたが、経験やノウハウの蓄積や情報共有を図る包括的な仕組みがないため、研究成果の実用化に向けた臨床試験・治験の加速や効率化につなげることが出来ていませんでした。
この状況を鑑み、首都圏に集積するアカデミアの優れた研究成果を革新的な医療技術や医薬品・医療機器を効率的かつ持続的に創出する体制構築を実現するために、各大学等の機能を活用した非臨床・臨床一体型の橋渡し研究支援体制を構築し、人材育成、情報共有等を目的とする首都圏ARコンソーシアム(Metropolitan Academic Research Consortium: MARC)を発足致しました。