首都圏ARコンソーシアム

「原因を評価することの難しさ-原因の必要性・十分性・必要十分性とその周辺-」

本講演では，Pearl(1999)によって定義された 3つの原因の確率，すなわち，ある事象がもうひとつの事象を引き起こすのにどの程度必要, 十分，あるいは必要十分であったかを評価する問題とその周辺の話題について概説する。
特に，これらの原因の確率に関する識別問題について議論するとともに，実験研究あるいは観察研究のフレームワークでこれらの確率がどこまで評価できるのかを明らかにする。
あわせて、原因を特定するといった作業が状況依存になりうることを指摘する。
進行状況に応じて、主要層別効果や効果の分解問題と原因の確率とのかかわりについても考えてみたい。

■講師
横浜国立大学 大学院工学研究院 知的構造の創生部門 教授
黒木 学先生

主に研究者を対象としておりますが、研究支援者を含めた幅広い方々にご参加いただけますと幸いに存じます。